ハンガリー ステップ・バイ・ステップ
バラトン湖地方

バラトン湖Balaton
 「ハンガリーの海」と呼ばれる湖で、トランスダニュービア(ドナウ川以西)地方の真中に位置しています。全長77kmの横に長い湖は、オパールのような黄緑色の湖面と絹のような肌触りの水で知られており、国内最高の自然の恵みであり、最大級の観光地でもあります。総面積600u弱の中欧で最大の湖です。湖岸の全長は195km、湖はもっとも幅の広いところで14km、水深の最高12.4mとなっています。南岸は遠浅が続き、子供達にとっても理想的な水浴場です。一方、北岸は岸からすぐに深くなっていますが、多くの水浴場が設けられています。水温は、夏は20℃−26℃、朝晩は気温より高くなります。湖の水と絹のような手触りの砂は、神経症や貧血、過労などに効能があります。

 湖畔には、数多くのリゾートが点在し、ハンガリー人、外国人を問わず賑わっています。

 まず北岸のリゾートから解説を始めましょう。バラトンアカラッチャBalatonakarattyaからケストヘイKeszthelyまで、山並みに囲まれた、約25ヶ所の湖畔のリゾートが岸に沿って続いています。湖畔から少し奥に入った集落にも数多くの見どころがあり、天気の悪い日でも思い出に残る、素適なプログラムを作ることができます。


バラトン湖地方
バダチョニBadacsony [B2]
バラトンフレドBalatonfured [B1]
ケストヘイKeszthely [A2]
ティハニTihany [B1]
シオーフォクSiofok [C1]
ヘーヴィーズHeviz [A2]
タポルツァTapolca [A1]
カーリ盆地Kali-medenc [B1]
その他の街


バダチョニ ワインレストランからのバラトン湖
バダチョニBadacsony [B2]
 バダチョニ山Badacsony hegy (437m)は、台形をした休火山で、山腹には地質学的に大変珍しい凝固した柱状節理「玄武岩のパイプオルガン」が見られます。聖パウロ宣教師会の修道士達の手で産みだされた名高いワイン、バダチョニ・スルケバラート(「バダチョニの修道士」)を産する葡萄園にも足を踏み入れることができます。200年前に建てられた2軒の葡萄圧搾小屋のうちの一つ、セゲディ・ローザ邸Szegedy Roza-haz(キシュファルディ大通りKisfaludy ut)は、バラトン湖周辺での文学活動や葡萄栽培の資料を保存している文学記念博物館となっており、湖畔でもっとも人気のあるワイン酒場兼レストランでもあります。バロック様式のキシュファルディ邸Kisfaludy-haz(セゲディ・ローザ通りSzegedey R. u. 87.)のベランダからは、雄大な眺めが広がっています。同じように、山の頂にある、高さ14mのキシュファルディ展望台Kisfaludy-kilatoや南西の山腹にあるラノルデル十字架Ranolder-keresztからの眺望も目を見張るものがあります。バラトン湖の人々や湖畔での生活を描いた絵で知られるエグリ・ヨージェフEGRY Jozsef (1883-1951) のバダチョニトマイBadacsonytomajの邸宅は、記念館(エグリ・ヨージェフ遊歩道Egry Jozsef setany 12.)になっています。

 バダチョニトマイには、中欧で最初の玄武岩教会、聖イムレ教会Szent Imre-templomが1932年に建立されました。バダチョニ自然保護区Badacsonyi Tajvedelmi Korzetには、グラーチ山Gulacs (393m) 、チョバーンツ山Csobanc (376m) 、セント・ジェルジュ山Szent Gyorgy-hegy (415m) など、頂からの眺望が素晴らしい火山があります。これらの山々は太古の昔に存在したパンノニア海の海面を表しています。詳しくは地質学植物園で解説されています。バダチョニエルシュBadacsonyorsでは、400種類の落葉樹が植えられているフォリー樹木園Folly-arboretum(アルボレートゥム通りArboretum u. 5.)を訪れてみる価値があります


バダチョニ山


バラトンフュレド バラトン湖畔
バラトンフレドBalatonfured [B1]
 バラトン湖畔の保養地の中でも古くから人気のある、由緒あるリゾートで、ハンガリー随一の療養温泉&水浴場があります。バラトン湖で初めて蒸気船が航行したのも、また、ヨットクラブがハンガリーで初めて開設されたのもこの町です。19世紀の著名人はここに競って別荘を建てました。ロマン主義の小説家ヨーカイ・モールJOKAI Mor (1825-1904) の折衷様式の邸宅は、現在記念館(ホンヴェード通りHonved u.1.)となっています。館内では、文豪の愛用した家具や調度品、ゆかりの品々などが公開されています。この町には有名な心臓病院があり、鉱泉水を利用して、300年前から心臓病に苦しむ患者達の治療が行われてきました。鉱泉水は、飲用療法として糖尿病や消化器疾患にも効果があります。コシュート・ラヨシュ飲用鉱泉館Kossuth Lajos- ivocsarnokでは湧き出る鉱泉水を試飲することができます。サナトリウム(ジョージ広場Gyogy ter)では、廊下に、バラトン・パンテオンBalatoni Panteonがあり、ここで治癒した人々の記念板が飾られています。また、大ホールでは、170年も前から毎年7月の最終土曜日に恒例のアンナ舞踏会が開かれ、舞踏会の女王が選ばれます。湖畔のタゴール散歩道Tagore setanyには、ハンガリーや外国の著名人の彫像や記念碑などがずらりと並んでいます。5月には、バラトン湖のシーズンの開幕を告げるヨット開きがバラ園で行われます。ローツィ洞窟Loczy- barlang(エレグ・ヘジ大通りOreg-hegyi ut の奥)は、全長120mあり、洞窟壁の地層に入っている豆のような霰石が必見です。コロシュカ谷Koloska-volgyとコロシュカ泉Koloska- forras、ヨーカイ展望台Jokai- kilatoは、ハイキングに最適の場所です。
ケストヘイKeszthely [A2]
 バラトン湖畔でもっとも古く、そしてもっとも大きな町です。ローマ時代には重要な商業の中心地でした。2世紀から4世紀にかけて栄えた町ヴァルクムValcumの中心地の遺跡がフェネークプスタFenekpusztaに残っています。市内の賑やかなコシュート通りKossuth utca 22にある建物ペテー邸Peto-hazは、作曲家ゴールドマルク・カーロイGOLDMARK Karolyの生家として一見の価値があります。この通りは中央広場、フェー広場Fo terに続いており、広場には14世紀のフランシスコ派の教区教会が建っています。最近ゴシック様式のフレスコ画が発見されたばかりで、バラ窓も当時のものです。

 ハンガリーで三番目に大きい宮殿、101の部屋、絢爛豪華な正面入り口、バロック様式の塔がひときわ目立つフェシュテチッチ宮殿Festetics-kastely(カシュテーイ通りKastely u. 1.)には、完全な形で残った往時の礼拝堂や稀少本など8万6千冊の蔵書を誇るヘリコン図書館があります。ヘリコン宮殿博物館Helikon Kastely Muzeumでは、16の部屋を使って、それぞれ、18世紀から19世紀にかけての生活様式を紹介する展示や装飾武器、ヴィンディチグラーツ大公のトロフィーコレクションなどが公開されています。「鏡の間」では毎週のようにコンサートが開かれています。現在は自然保護区となっている、宮殿内にかつてあった華麗な遊園地は、改修工事中です。かつての宮殿の主、フェシュテチッチ・ジェルジュは、1797年にヨーロッパ最初の農業高等教育機関ゲオルギコンGeorgikon(ゲオルギコン通りGeorgikon u. 20.)を設立しました。ゲオルギコン農場博物館Georgikon Majormuzeum(ベルチェーニ・ミクローシュ通りBercsenyi Miklos u. 67.)では、この学校の歴史や、19世紀のバラトン湖周辺地域のワイン産業・穀物生産を伝える資料が展示されています。このほか、バラトン湖に迫り出すように建てられた木製の出島の形をした島浴場も一見の価値があります。

 バラトン湖博物館Balaton Muzeum(ムーゼウム通りMuzeum u. 2.)では、バラトン湖に関するあらゆること、地質の形成と構造、植物、動物、温泉、船舶航行史、7000年前の考古学的発掘調査の出土品、民芸品などがすべて紹介されています。バラトン湖周辺のワイン産地の歴史やワインの種類を知るには、ワイン博物館、フンガリクム・ワインハウス・ワイン&ワイン樽博物館Hungaricum Borhaz Bor- es Kadarmuzeum(ヘリコン通りHelikon u. 4.)がお薦めです。またバッカスワイン博物館Bacchus Bormuzeum(エルジェーベト王妃通りErzsebet kiralyne u. 18.)ではハンガリーのワイン産地21地方のワインが紹介されています。マジパン博物館菓子店Marcipan Muzeum-cukraszda(カトナ・ヨージェフ通りKatona J. u. 19)は、お菓子の博物館で、マジパンでできた宮殿など、珍しいお菓子の展示が目を楽しませてくれます。ハンガリー人形の世界が知りたい方には人形博物館Babamuzeum(コシュート通りKossuth u. 11.)をお薦めします。


フェシュテチッチ宮殿
ティハニTihany [B1]
 長さ5km、幅3.5kmのティハニ半島は、遠くからでも教会の2本の尖塔が望める、バラトン湖に突き出た半島です。もともと火山性の地形で、珍しい植物や動物に恵まれ、1000年前から人が住んでいました。1055年に創設されたベネディクト修道会の教会は、アンドラーシュ1世の墓石を残す地下礼拝堂を残すのみとなりましたが、ハンガリー建築史の1頁を飾る貴重な遺跡となっています。当時の修道院の設立趣意書は、マジャル語で記された現存する最古の文書です。18世紀に、この地下礼拝堂の上に、豪華な木製彫刻に飾られたバロック様式の教会が建てられました。その修道院がベネディクト修道院博物館Bences Apatsagi Muzeum(エルシェー・アンドラーシュ広場I. Andras ter)となっていて、聖堂の歴史展示とともに、最後のハンガリー王、カール4世 (1916-1918) 記念の間や、ローマ時代及び中世の石像展示館が公開されています。修道院の聖堂では毎年夏になるとオルガンコンサートが開催されます。

 野外民俗学博物館Szabadteri Neprajzi Muzeum(バッチャーニ・ラヨシュ通りBatthyany Lajos u. 36)にある18世紀に建てられた家々や、古い村の民家や陶芸館(ピシュキ散歩道Pisky setany 9.)は、昔ながらのひなびた漁村の雰囲気を漂わせています。この地域は、1952年に国内で初めてティハニ自然保護区Tihany Tajvedelmi Korzetとしての認定を受けました。ローツィ・ラヨシュ散歩道Loczy Lajos setautを歩くと様々な発見に出会うでしょう。風化によって侵食された玄武岩の岩肌、火山性の山に掘られた隠者の住居、11世紀にここに定住したバジル会の修道僧達の家、チューチ山のアーモンドやラヴェンダーの花々など、素晴らしいものばかりです。キシュエルデー丘Kiserdo-tetoやゲイジール原Gejzir-mezoの100以上もある間欠泉の一つ「金の家Aranyhaz」は半島の自然の展望台になっていて、そこから眼下に太公望に人気のベルシェー湖Belso-toや野鳥の巣作りの場キュルシェー湖Kulso-toに向けて素晴らしい眺望が広がっています。船着場からは、フェリーボートがバラトン湖南岸の美しい港町、対岸のサーントードSzantodまで1.5 kmの距離を往復しています。人形博物館Babamuzeum(ヴィスハング通りVisszhang u.4.)では、1850年から1920年頃までに制作された磁器の人形やドールハウスが展示され、ロマンチックな世界に浸ることができます。


ティハニュ半島に建つ
ベネディクト修道会教会
シオーフォクSiofok [C1]
 南岸最大の町で、湖畔に沿って17kmの長さに渡って町が続いています。船着場には、バラトン湖の定期航路が必ず立ち寄ります。また、遊覧船も出ています。シオーフォクのゴールド・コーストAranypartやシルバー・コーストEzustpartに建ち並ぶホテルは人気が高く、いつも人で賑わっています。静かな公園には彫像も立ち並んでいます。ルター派教会は、著名な現代建築家マコヴェッツ・イムレMAKOVECZ Imreの設計によるもので、フィンランドの木材を使い、彼独自の様式を見せています。この町出身の著名な作曲家、「チャールダーシュの女王」やその他世界的に有名なオペレッタを作曲したカールマーン・イムレKALMAN Imre (1882-1953) の博物館(カールマーン・イムレ散歩道Kalman Imre setany 5.)もあります。館内では、カールマーン愛用のピアノやゆかりの品々が公開されています。一方、ベセーデシュ・ヨージェフ治水事業博物館Beszedes Jozsef Vizgazdalkodasi Muzeum(シオー通りSio u. 2.)では、バラトン湖の船舶輸送と漁業の歴史が紹介されています。カルパチア盆地に産する3000種類の鉱物を集めた鉱物博物館もあります。高さ45mの給水塔(サバッチャーグ広場Szabadsag ter)は町のシンボルですが、その近くにバラトン湖南文化センターDel-balatoni Kulturalis Kozpont(フェー広場Fo ter 2.)があり、各種の催し物が開かれています。


バラトン湖南岸のリゾート シオーフォーク
ヘーヴィーズHeviz [A2]
 人が入浴可能な天然の温泉の湖としては世界で二番目に大きなヘヴィーズ温泉湖Heviz-toをかかえる町です。この温泉湖はバラトン湖から6km入ったところにあり、深さ36m 、面積47.500m2もある湖面には睡蓮の花が浮かび、季節を問わず多くの湯治客で賑わっています。湖には、ラジウムや硫黄、ガス、ミネラルに富んだ、独特の香りのする36℃の湯が毎秒420リットルの割合で湧き出ており、冬でも穏やかな気候の湖で入浴を楽しむことができます。特に湖の底の泥に治療効果の高い成分が含まれています。効能は、運動機能障害やリュウマチ、炎症、関節疾患などに良く効くと言われています。インドの赤睡蓮の花が広がる湖は、1795年以来療養温泉として利用されてきました。また、鉱泉の味も良く、飲用治療にも適しています。湖には、1968年に屋内療養温泉が完成しました(Dr. シュルホフ・ヴィルモシュ散歩道Dr. Schulhof Vilmos setany 1.)。療養治療は、リュウマチ・リハビリ病院の専門医の監督のもとで行われています。温泉療法を受けるには、前もって医者の検査を受けることが勧められています。

 温泉湖の周辺には4−5星の温泉リゾートホテルも多く建ち、2−21泊までのパッケージプランが用意されています。
タポルツァTapolca [A1]
 この地域はハンガリーでもっとも興味深い見どころがあることで知られています。タポルツァ盆地の中にあるこの町は、葡萄園が連なる、毛皮の帽子の形をした14の玄武岩の山並みで囲まれています。見どころは、珍しい地質構造で、長さ4kmにわたって続くタヴァシュ洞窟Tavas- barlang(キシュファルディ通りKisfaludy u. 3.)でのボート遊びが圧巻です。町の真中にある、のどかなマロム池Malom-toの湖畔にたたずむ200年前の水車小屋は、今ではホテルとなっています。中部ヨーロッパで最古の国民学校は、現在市立図書館と博物館(テンプロン丘Templomdonb 8.)になっており、教育史の資料が展示してあります。


タポルツァ タヴァシュ洞窟とマロム池の水車小屋
カーリ盆地Kali-medence [B1]
 自然保護区に指定されているカーリ盆地では、いくつかの休火山が大昔から人の住んでいる村々を囲むように取り巻いています。ケーククートKekkutの外れにある、その昔ローマ人もよく知っていた泉は、現在はテオドラという銘柄のミネラルウオーターを供給しています。この地方は、中世の宮殿や教会の廃墟、特殊な地質など観光客を引きつける魅力に恵まれています。尖った玄武岩の柱の層やフェケテ山Fekete-hegyの玄武岩の柱、コルニ湖Kornyi-toなどの無数の小さなカルデラ湖、セントベークカーラSzentbekkallaやケーヴァーゴーエルシュKovagoors、シャルフェルドSalfoldなどの町にある、風化によってできた奇岩の海原など、世界でも珍しい現象がそろっています。シャルフェルドの自然保護農場では、灰色牛やラツカ種の羊、バイソンなど、この地方に昔からいた家畜が飼育されています。盆地にある古い農家はどれもみな貴重な文化財で、のどかな環境がエコツーリズムの愛好者の間で人気を呼んでいます。


セントベークカーラの奇岩
その他の街
アルショーエルシュAlsoors [C1]
 中世には赤い石の鉱山として知られていました。ターバンを巻いた頭を想わせる煙突でトルコ人の家Torokhaz(ペテーフィ小路Petofi koz 7.)と呼ばれる建物は、ハンガリーでもっとも古い15世紀の下級領主の邸宅です。

バラトンアルマーディBalatonalmadi [C1]
 北岸で一番大きい水浴場があることで知られています。水浴場が開かれたのは1877年のことで、それ以来人気を博してきました。町は、ペルムの砂岩で造られた赤い色の建物に特徴があります。聖なる右手礼拝堂Szent Jobb-kapolnaのあるローマカトリック教会(オーヴァーリ・フェレンツ通りOvari Ferenc u.)も赤い色をしています。ベニス製の素晴らしい金のモザイクで飾られた礼拝堂は、もともとブダの王都にあったもので、ハンガリーの国宝として奉られていた聖イシュトヴァーンの右手を保管していました。赤砂岩植物実習園Voros Homokko Tanosvenyは、6kmの長さにわたって、バラトン湖北高地国立公園Balaton-felvideki Nemzeti Parkの見どころが標識で示されています。バラトンアルマーディの町の一部であるヴェレシュベレーニVorosberenyでは、13世紀に建てられたカルヴィン派教会が町の象徴になっています。この教会は、バラトン湖北高地で唯一つ残った中世の要塞教会です。

バラトンエデリチBalatonederics [A2]
 バラトン湖にラクダ、バイソン、シマウマが出現!著名なアフリカ狩猟家ナジ・エンドレNAGY Endreが創設したアフリカ博物館Afrika Muzeum(キュルテレクKultelek 11.)のサファリパークでは、このあたりでは見られない動物が放し飼いにされています。博物館には、トロフィーやアフリカの民芸品など、多彩なコレクションが展示されています。前もって予約すれば、最近公開された巨大なチョダボジョーシュ鍾乳洞Csodabogyos-cseppkobarlangを見学することができます。

バラトンウドヴァリBalatonudvari [B1]
 この町の墓地には、1808年から1840年にかけて立てられた、約50基のハート形の墓石があります。

フェルシェーエルシュFelsoors [C1]
 バラトン湖畔で有数の美しさを誇る司教管区教会は、13世紀にロマネスク様式で建てられました。1745年に完成した5段の鍵盤を持つパイプオルガンが、人気を呼ぶ夏のコンサートの主役になっています。地球の歴史の第三期について詳しく知るにはフォッラーシュ山Forras-hegyの地質学展示館の散策をお薦めします。

エルヴェーニェシュOrvenyes [B1]
 ペーチェイ川Pecsely-patakに架かる、200年以上前の橋のたもとに、現在も動く水車(セント・イムレ通りSzent Imre u. 1.)があります。この水車はすでに1211年に粉を挽いていたという記録が残っており、現在も古い粉挽き用具が保存されています。

シグリゲトSzigliget [A2]
 バラトン湖畔で独特な雰囲気を持つ保養地です。なだらかな丘の中腹に這うように並んでいる家々や緑豊かな木立が、暖かい家庭的な雰囲気を醸し出しています。昔ながらの葦葺き屋根の家々(アディ・エンドレ通りAdy E. utca、キシュファルディ通りKisfaludy utca、コシュート通りKossuth utca、ペテーフィ通りPetofi utca)は、民衆文化財として保護されています。高さ242mの城山には、1702年に爆破された13世紀築城のシグリゲト城の廃墟がたたずみ、そこからえもいわれぬ美しい眺めが広がっています。エステルハージ宮殿Eszterhazy-kastely(コシュート通りKossuth u. 174.)は、作家の創作ハウスとなっていて、広々とした、手入れの行き届いた庭園には150種類以上の杉の木が植えられています。
 バラトン湖南岸は、バラトンアリガBalatonaligaからバラトンセントジェルジュBalatonszentgyorgyまで、約70kmにわたって大小同じような、賑やかなリゾートが連なっており、日光浴と水のスポーツが大好きな家族連れで活気に満ちています。

バラトンボグラールBalatonboglar [B2]
 バラトン湖南岸の中心をなす保養地で、対岸のレーヴフュレプRevfulopから出発する、人気のあるバラトン湖縦断レース(7月末)のゴールとなる町です。フィッシュル邸Fischl-haz(エルジェーベト通りErzsebet u. 12-14.)の郷土史コレクションや、1932年にハンガリーで初めてコンクリートで造られた教会、城の丘Var-dombの上に造られた丸い展望台、カーポルナ丘Kapolna-dombの美術展示や野外公演で名高い青の礼拝堂Kek-kapolnaと赤の礼拝堂Voros-kapolnaなどが見どころです。

バラトンフェルドヴァールBalatonfoldvar [B1]
 1872年に開かれた人気の高いリゾートです。古めかしい別荘や邸宅が並んでいます。高さ20mの展望台からはこの辺り一帯の素晴らしい眺めが見渡せます。ケレシュヘジKoroshegyにある15世紀のローマカトリック教会では、定期的にパイプオルガンコンサートが催されています。

バラトンレッレBalatonlelle [B-2]
 ハンガリーの放牧者芸術の第一人者カポリ・アンタルKAPOLI Antalと彼の息子の作品がかつての農家を使って公開されているカポリ博物館&ギャラリーKapoli Muzeum es Galeria(コシュート通りKossuth u. 35.)があります。ローマ・カトリック教会はしばしばオルガン・コンサートの会場になっています。ショモジバボドSomogybabodでは、毎年6月の初めにオフロード車フェスティバルが開かれます。

バラトンサールソーBalatonszarszo [B2]
 騎士の城の様式で築城されたバゴイヴァールBagolyvar「フクロウの出る城」(バゴイヴァール通りBagolyvar u. 16/A.)が有名です。隣町のバラトンセメシュBalatonszemesでは、ハンガリーの郵便の歴史を紹介した郵便博物館(バイチ・ジリンスキー通りBajcsy-Zsilinszky u. 46.)に一見の価値があります。


シグリゲト城からの眺め、キニジ・パールの城、フェリーボート
バラトンセントジェルジュBalatonszentgyorgy [A2]
 19世紀初期ロマン主義様式で建てられた、星の形をしたチッラグヴァールCsillagvar「星の城」(イルターシュ畑Irtasi dulo)は、かつて名門フェシュテチッチ家の狩猟館でした。館のサロンには、17世紀の辺境の城での生活を紹介した資料が展示されています。一方、地方資料館(チッラグヴァール通りCsillagvar u. 68.)はこの地方の典型的な建築様式を代表した建物です。

フォニョードFonyod [B2]
 バラトン湖畔の中でも人気の高いリゾート地の一つで、「最高」の見どころが揃っています。ベルジェニ展望台Berzsenyi-kilatoからはバラトン湖北高地全体を一望の下に見渡せる最高のパノラマが広がっており、バラトン湖で一番長い464mの埠頭と最大の規模を誇る遊泳場があります。アルショーヴァールAlsovarにある中世の板塀の城(セント・イシュトヴァーン通りSzent Istvan u. 119.)の近くには、22mのワインセラーで有名なサーズエーヴェシュ・ピンツェ・レストランSzazeves Pince etterem「100年のワインセラーレストラン」があります。

サーントードSzantod [C1]
 大昔から対岸への渡しがこの町から出ていましたが、船着場は1802年に建設されたものです。
 ティハニのベネディクト会修道士達によって1716年から1741年にかけて作られた農場は、現在観光センターとして保護の対象となっています。農場の改築工事はヨーロッパ・ノストラ賞を受賞しました。農場内にある貴族の邸宅には、絵画や小像、ワインセラーでは葡萄の栽培史、種子保管庫では民芸品、召使の家では郷土史の各展示が行われています。また、チャールダでは食事や飲み物が出され、家畜小屋の周りではラツカ種の羊や牛が草を食み、水族館ではバラトン湖の生き物達を見学することができます。カーポルナ丘Kapolan-dombに建つクリシュトーフ礼拝堂Kristof-kapolna (1735年) からはバラトン湖北岸の素晴らしい眺めが広がっています。

ザマールディZamardi [C1]
 民衆建築史上価値のある建物がいくつか並んでいます(フェー通りFo u. 120.と129.)。地方資料館(フェー通りFo u. 83.)ではバラトン湖畔の建築物や住宅インテリア用品などが展示されています。
 バラトン湖周辺では、湖畔に面した町だけでなく、湖から少し奥に入った地域も、美しい自然や歴史、文化などに恵まれており、一度は訪ねてみる価値があります。

ブジャークBuzsak [B2]
 ブジャークの民芸、特にこの村の刺繍製品はヨーロッパで大変に有名で、教会の祭壇にかけられるテーブルクロスやミサ服などにも刺繍が施されています。ベランダのついた200年前の農家はブジャーキ地方資料館(フェー通りFo u.8.)になっており、村の歴史や農業について紹介されています。村の公民館では民芸展が行われています。8月のブジャーキ祭りでは華やかでカラフルな民族衣装に目を見張ることでしょう。バラトンフェニュヴェシュBalatonfenyvesから出るミニ鉄道に乗って、チスタプスタCsisztapusztaまで温泉に入りに行く人も多くいます。

小バラトン湖Kis-Balaton [A2]
 湖沼が多い湿地帯で、葦の生い茂った茂みに何千羽という水鳥が生息しています。ハンガリー国内で見られる370種の鳥のうち、150種類がここで巣を作ります。一番多いのはアオサギで、ヨーロッパ・ヒメウやハチクイも多く見られますが、一番貴重な鳥は真っ白なシラサギです。バードウオッチングには、カーニャヴァール島Kanyavari-sziget(バラトンマジャロードBalatonmagyarodから2km北にある)やパップ島展望台Pap-szigeti kilatotorony(ヴェルシュVorsの町から監督官小屋方面へ向かう道沿いにある)が最適です。近くのカーポルナプスタKapolnapusztaでは、中央ヨーロッパで唯一の水牛保護区があり、必見です。

ナジヴァージョニNagyvazsony [B1]
 ルネサンス時代の王様、マーチャーシュ王が全幅の信頼を置いた将軍キニジ・パールKINIZSI Pal (1446-1494) は、とりわけ腕力に優れていたため、粉挽き職人から城主に出世した男です。このキニジ・パールの城にある高さ29mの塔からは、素晴らしい眺望が望めます。城の歴史と考古学発掘調査の成果が城博物館(城大通りVar ut 9.)で公開されており、城の礼拝堂ではキニジの石棺が安置されてあります。ハンガリー後期ゴシック様式の傑作の一つが、今では廃墟となってしまった聖パウロ宣教師会の教会と修道院(バラーティ・プスタBarati-puszta)です。聖イシュトヴァーン教会Szent Istvan-templom(ラーコーツィ通りRakoczi u. 148.)の内部は、15世紀の雰囲気を蘇らせています。18世紀に造営されたジチ宮殿Zichy-kastely(コシュート通りKossuth u. 12)は現在ホテルとなっており、乗馬学校も併設され、ホテルの庭園ではナジヴァージョニ乗馬祭りが開かれます。郵便博物館Postamuzeum(テメテー通りTemeto u. 3.)では郵便通信展が開かれています。藁葺きの切妻屋根を持つシューマッヘルの家Schumacher-haz(ベルチェーニ・ミクローシュ通りBercsenyi Miklos u. 21.)は、昔ながらの織物職人の家を再現しており、家畜小屋では銅細工職人の道具が公開されています。

ショモジヴァールSomogyvar [B2]
 ハンガリーで三番目に重要な史跡がある町です。1091年に完成したベネディクト修道会の聖エジェド・バジリカSzent Egyed-bazilikaと修道院(クパヴァール山Kupavar-hegy)が修復され公開されています。華奢な柱の並ぶ回廊の繊細な彫刻など、ハンガリー・ロマネスク建築とゴシック建築の代表的な作品は、地元で見ることができますが、他の石像類はブダペストのナショナルギャラリーNemzeti Galeriaに展示されています。

ザラカロシュZalakaros [A2]
 96℃の湯が2300mの地下から毎分830リットルも湧き出る温泉(テルマール通りThermal u. 4.)は、ハンガリー国内ではまだ新しい温泉に属します。この温泉の効能は、リュウマチ、運動機能障害、神経疾患、あるいは慢性的な婦人病の治療に有効とされます。温泉は総合医療・療養センターとなっており、薬湯や牽引風呂なども備えています。温泉には合計12の浴槽がありますが、最新のものは水力マッサージも楽しめる風呂です。温泉の周囲は、きれいに整備された公園のあるリゾートセンターとして発展を続けており、新しいホテルや別荘が次から次へと建設中で、温泉を備えたキャンプ場も人気があります。
 
バラトン湖のイメージ
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